今年もよろしくお願いいたします

 皆さま、明けましておめでとうございます。
 もう、すでに通常の生活に戻られた方が大半かと思うのですが、年末・年始はいかが過ごされましたか?





 前回の記事で仙台の年末行事についてちょっとだけ書いてみたのですが、年明け初回の今日は、これまた仙台独自の、と言いますか、現代ではあまり見られなくなった正月行事について二つ、三つ書いてみようと思います。





1、「三日とろろ」
 これもまた、ブロ友さんへのコメントで気付いた事でした。私が「三日とろろを作って食べました」とコメントしたところ、「三日とろろは知らないのですが…」とお返事をいただきました。それで、あ、これはこちらだけだった、と気づいたのです。

 「三日とろろ」というのは、正月三日の日にとろろを食べる行事の事です。長芋、大和芋、どちらでも良いですし、とろろ料理なら「山掛け」でも、「とろろ蕎麦」でも何でも構いません。「麦とろ飯」でなければいかん、と言う頑固な方もいらっしゃいますが…

 そもそもは、大晦日・正月の飽食で疲れた胃の腑を休め、翌日からの普段の食事「”け”の食」に備える、という事から始まったものの様なのですが、始まりが何時の事なのかははっきりしていません。私が子供の頃には既にありましたし、父や母の時代にも、もう既にあったようです。
 この行事が行われている地域なのですが、現在は全国あちこちに、少数づつですが、散らばっています。テレビや雑誌で広がったのだと思うのですが、、、
 元々行われていたのは、北関東から南東北にかけての地域です。宮城県では、仙台までは行っている家庭が多かったのですが、県北では稀でした。現在では仙台市内では少なくなり、県北の方では若干増えています。でも、現在でも正月三日にはスーパーに長芋や大和芋が並べられ、「三日とろろ」のポップが貼りだされます。





2、「松の内」
 「松の内」とは、正月飾り(松飾り)を飾っておく期間のことですね。また、この期間内には年始の挨拶を交わします。

 この「松の内」ですが、一般には正月七日まで、とされています。現在はほとんどの所がこうなっていると思います。
 ですが、ちょっと前までは各地でバラバラでした。傾向としては、東国が1月7日まで、西国が1月15日まで、と言う風潮はあったのですが、4日に松飾を外すところも在りましたし、6日や14日と言うところもありました。

 で、仙台はどうなのか、と言いますと、基本は旧仙台市街地に長町を加えた地域では1月14日の日中までが「松の内」です。これは、仙台の正月行事(正しくは「小正月行事」なのですが)「どんと祭」と深い関係があります。14日の日中に外した松飾を、14日夜の「どんと祭」でお焚き上げする、と言う一連の流れだからです。もうひとつには、こちらの方が本来の理由なのですが、古い時代の正月が、元旦から1月14日の日中までを「大正月」、1月14日の日没から15日の日没までを「小正月」としたことがその理由でもあります。この古いしきたりは江戸城下では幕府のお達しにより1月7日までを「大正月」とする、となるのですが、仙台までは伝わりませんでした。
*大崎神社の「どんと祭」の会場
     2014年1月14日撮影

IMGP2189 (1024x576).jpg

 と、いうことで、仙台では基本的に1月14日の日中までがいわゆる「正月」の期間なのですが、最近は、7日に松飾を外し、14日の「どんと祭」まで保管しておく、と言う家庭も増えています。他地域から来た企業などでもそういう傾向が見られますね。一説には、最近の玄関飾りには橙の代わりに蜜柑が使われていて、さらに温暖化もあって、14日まで飾っておくと、その蜜柑がカビが生えたり腐ってしまうから、と言うのが理由だと言われています。この場合、7日に外した松飾は、蜜柑だけを外して生ごみに出し、残った飾りを「どんと祭」まで保管しておくようです。

 以上のようなことがありますので、仙台域内では1月14日までは、その年初めて会った人に「明けましておめでとうございます」と挨拶しても、少しもおかしい事ではありません。





3、「小豆粥」
 これは正月行事というよりも「小正月」の行事です。1月14日、もしくは1月15日に小豆を入れた粥を炊いて食べる行事の事です。近年は行う家庭も少なくなったのですが、主に東の地域で見られるもので、これも地域差や、家庭によってその内容に違いがあります。

 で、仙台ではどうなのかと言いますと、私の経験ではほとんど見聞きしていません。旧仙台城下では皆無で、県南の郷村部で二、三例聞いたぐらいです。
 ですが、我が家では行っていました。我が家は福島県の県北の出でして、そこではこの小正月の小豆粥を「あかつき粥」と呼んでいました。1月15日の早朝に小豆粥を炊き、まだ暗いうちにそれを持って墓参りに行く、と言う風習がありました。夜が明けきらない内に炊く粥だから、またその色が”暁色”なので「あかつき粥」と言うのだ、と祖母から聞いていました。

 この「小豆粥」ですが、その起源は中国大陸にあります。古代中国において冬至の時に食べられていた小豆粥が日本に伝わったものです。
 そもそも、小豆の赤い色には禍や魔を退ける力があると信じられていました。この赤い色が魔除けになるという信仰は、多くの民族に共通する事でして、世界中の多くの行事に取り入れられています。
 この中国大陸から伝わった行事食の「小豆粥」ですが、日本に入って二つに分かれます。ひとつは、大陸のものと同じ冬至の行事食でして、これは東北の冬至の行事食・「小豆南瓜(ある地方では「いとこ煮」とも呼ぶ)」となり、もうひとつが小正月の「小豆粥」となりました。これは、冬至、小正月共に魔除け、病除け、農作物の予祝を祈願する行事だからです。行事の性格が似ているために、両方で用いられる行事食となった訳です。
*参考:冬至の「小豆南瓜」
    2014年2月22日撮影

IMGP2245 (1024x576).jpg

 ちなみに、この古代の「小豆粥」は、現代の中国では「紅豆粥(ホンドウジョウ)」、朝鮮半島では「팥죽(パッチュク)」となっています。いずれも冬至の行事食です。






 と、いうことで、我が家は、明日の7日は「七草粥」、14日は「小豆粥」の予定です。夕食ではなく、昼食のメニューにしようと思っています。なにせ粥ですので、腹持ちが良くないですので(笑)。
 

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この記事へのコメント

2021年01月06日 14:04
三日とろろを詳しく有難う御座いました。
これは、初めて知りました。
父母の居た時にも 三日とろろはなかったですね。
母は、山形でしたが聞いたことも
その習わしも・・ありませんでした(._.)

七草粥、小豆粥、それに冬至の「小豆南瓜」は、
お替りして‥沢山食べました。

2021年01月07日 09:04
みなとさん、おはようございます。

 「三日とろろ」はそれ程メジャーな行事食ではありません。御存じない方も多いと思います。
 ですが、本文にも書きましたように、北関東から南東北ではよく知られていまして、スーパーの季節食材コーナーが作られたりします。

 みなとさんのお母様は山形出身という事ですが、山形県も置賜、村山地方は「南東北」の文化圏なのですが、小国、最上、庄内の各地方は北東北の文化圏になります。特に、お母さまの御出身地である小波渡は庄内地方に属しまして、北東北でも特異な文化圏で、北前船による関西文化の影響を多分に受けた地域です。位置的には東北南部に在るのですが、こちらとは食文化も、方言も大きく異なっています。
 お母さまはうどんやそばの麺つゆを作る時に混布を使っていましたか?
 南東北や関東の文化圏では混布を使わずに鰹節だけで出汁を取るのですが、関西の食文化の影響を受けた地域では混布と鰹節の混合出汁を使うところが多いです。混布だけと言う家庭もあります。
2021年01月07日 10:53
おはようございます(^^)/
我が家では、昆布漁もしていました。
昆布採りの日は、子供もみな手伝いました。
昆布は、何時も豊富にありましたので
だし汁採りは、主に昆布とこなご(ちりめんじゃこ)でした。

その後 磯枯れで昆布も少なく成り
こなごは、全く取れなくなりました。
2021年01月08日 07:50
みなとさん、おはようございます。

 前回のコメントでお話ししました北前船は北海道の混布を京都や大阪へ運ぶ船でもありました。なので、北前船の航路である日本海沿岸は混布出汁文化の道でもあった訳です。

 みなとさんが書いておられた「こなご」とは「小女子(こおなご)」の事かと思います。小女子は「イカナゴ(玉筋魚)」の稚魚の事で、春に漁を行います。三陸沿岸では小女子を「めろうど(女郎人)」と呼んでいまして、「めろうど漁」は春の風物詩になっています。
 めろうど(小女子)漁は養魚場の飼料やカツオ漁の撒き餌用に行われるのですが、一部は佃煮等の加工食品にもなります。5月頃でしょうか、仙台のスーパーにもシラス干しや佃煮になっためろうどが並びまして、もうじき初夏だなあ、と感じさせられます。

 ちなみに、「ジャコ」と言う言葉は大変ややこしいというか、曖昧な言葉でして、語義的には「雑魚(ざこ)」、つまり、色々な魚の稚魚を意味しています。ただ、地方、地方それぞれでその指し示す物が異なり、似た意味の言葉の「シラス」との区別が難しかったりします。
 ということで、語義的には小女子も「ジャコ」なのですが、こちらでは小女子は「コウナゴ」、ジャコはカタクチイワシやマイワシの稚魚を茹でて乾燥させたもの、シラスは乾燥させる前のジャコ、という風に呼び分けをしているようです。
2021年01月08日 12:41
お早うございます(^^)/
「こなご」とは「小女子(こおなご)」でしたか?
佃煮などでも留萌で売っていましたから、字は知っていましたが
こなご・・と読むと今まで思っていました(大笑)

浜弁なのでしたね~ 詳しく、有難う御座いました。
2021年01月09日 08:37
みなとさん、おはようございます。

 いえ、いえ、
こちらこそ重箱の隅を突っつくようなことを申しまして、失礼いたしました。

 ちなみに、「小女子」は「コーナゴ」と、伸ばして発音します。なので読み仮名は「こおなご」、「こうなご」のどちらでも良いです。
リアルET
2021年01月10日 10:51
おはようございます。
「三日とろろ」はわかりますが,個人的にはとろろは食わず嫌いなの位で食べません。子どものころから見た目で,食べたことがありません・・・。
「松の内」は俳句では関東は7日,関西では14日なんて歳時記にあります。実際はもっと地域によって様々なんでしょうね。
これまでは松が明けた8日が通常新学期だったのですが,今年は多くの市町村で5日や6日から授業再開が行われました。松も明けないうちに! とは思いましたが授業時数確保のため。今年はコロナの終息を願うばかりです。
2021年01月11日 09:05
ET先生、おはようございます。

 コロナウィルスの蔓延は、思ったより早い変異型の出現という、新しいフェーズに入ったようです。ワクチンの普及がそれをどれだけ抑えられ、医療崩壊という次の局面を如何に回避できるか、というのが現在の課題ではないかと思います。その前に経済活動の低下による犠牲者の方が上回ってしまいそうなのですが。。。
 生徒さん達の勉学への影響も、今年一年だけでは済みそうにないですね。先生方のご苦労も大変なものだろうなあ、と傍目ながら思っております。