これ何だろう?

P5月定禅寺通-05_03_2014-004.JPG5月定禅寺通-01_01_2010-212 (1024x768).jpg
 上の写真なのですが、、、
 これは毎年5月頃に、仙台の定禅寺通や青葉通で起きるちょっと不思議な自然現象です。(あくまで私個人の個人的な感想ですが、意外に奇麗です)
 この頃になりますと、路側帯や横断歩道の際に、赤褐色のゴミの様なものが沢山溜まっている光景が見られるのです。
 長かった北国の冬も終わり、木々の芽吹きが始まって、近くの山々がうっすらと赤らんでくる4月下旬ごろからこれが見られるようになります。やがて、定禅寺通や青葉通のケヤキ並木の梢に薄緑色の若葉が萌え始め、その緑色が濃くなり、陽の光に透かした葉の形がはっきりするようになる5月中旬、この”現象”はピークとなり、時には花吹雪の様に宙を舞う事もあります。
 さ~て、これの正体は一体何なのでしょう?
 なんか、ケヤキ並木に関係がありそうだな、と思われましたか?



         ・・・・・・・・・・




 行き交う人々の、ちょっと訝し気な視線を感じつつ、地面に屈みこんでアップの写真を撮ってみました。
5月定禅寺通-01_01_2010-216 (1024x768).jpg
 なんか、ピーナッツの甘皮の様なものが沢山見えますね。これで何なのか見当がつきましたか?





 実は、これはケヤキの冬芽の芽鱗(がりん)と托葉(たくよう)なのです。
P5月定禅寺通-01_01_2010-216 (1024x768).jpg



                


 ちょっと難しい言葉が並んでしまいましたね。以下にその「冬芽の芽鱗」と、「托葉」の説明をしてみようと思います。
P4月定禅寺通・東一番丁交差点-04_24_2020-073 (1024x768).jpg
 落葉植物の一部には、冬の間成長を止め、成長点をうろこ状の「鱗片葉(りんぺんよう/冬芽の場合は芽鱗とも言います)」で覆って、冬を乗り切るものが居ます。この鱗片葉で覆われた芽を「休眠芽(きゅうみんが)」、あるいは「冬芽(とうが)」と言います。
 この冬芽は、春になると鱗片葉を落として開き、そこから新しい「シュート(Shoot/枝と葉、花等の器官の総称/苗条・びょうじょう等とも言う)」が伸びます。上の写真の黄緑色の枝が冬芽から伸びた新しいシュートです。
 で、この冬芽が開いて新しいシュートが伸びる時に落ちた「芽鱗」が、最初の写真の”不思議な物”の正体の一つです。



 「托葉」は、葉を構成する器官の一つです。葉は、基本、「葉身(ようしん)」、「葉柄(ようへい)」、「托葉」の三つの器官から出来ています。ただ、「葉柄」や「托葉」を持たない種もたくさん存在します。
 葉は、葉柄で茎に接続しているのですが、その葉柄の基部、茎との接続部に付いている小葉状のものが「托葉」です。
   ・ケヤキの托葉
P5月定禅寺通-05_01_2020-089 (1024x683).jpg
 ケヤキの托葉は、この写真の様に葉柄の根元に付いた2枚の小さな葉の様な姿ですが、種によっては鞘状であったり、トゲ状の姿であったり、襞状の姿であったり、また、全く無い物もあります。様々な姿である「托葉」なのですが、ケヤキのそれは典型的な姿、とも言えます。

 さて、このケヤキの「托葉」ですが、その姿が樹上に見られるのは新しいシュートが形成されている当初だけなのです。上の写真の様に、葉身や新しい枝の色が赤紫色~黄緑色の時だけです。葉身の色に緑色が増すと、托葉は散り落ちます。
   ・葉身に緑が増したシュート
5月勾当台公園-05_09_2017-051 (1024x683).jpg5月定禅寺通-05_22_2019-057 (1024x683).jpg
 この写真には托葉が見られませんね。この様に緑色が増したシュートには托葉は無くなっています。
 この様な「托葉の落下」は、仙台では概ね5月中旬ごろに起きます。それが街中の路上に「赤褐色の”ゴミ”」が目立つ理由なのです。

 と、いう事で、要はケヤキが不要になった物を落とした、単なる”ゴミ”なのですが、仙台の春から初夏にかけての風物詩でもあるんですよね。この事で私は季節の移り変わりを感じています。

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