「夢酔独言」から拾い上げる武士の生活(最終回)

 前回に続き、侍の俸禄の話の後編です。 *蔵米の受け取りの様子      「復元 江戸生活図鑑」柏書房より  幕府の御米蔵は、大川を挟んだ東西の両岸、二ヶ所にありました。西側を「浅草御蔵」、東岸のものを「本所御蔵」(裡俗:御竹蔵、現在の「蔵前」です)と言いました。  この絵は、その幕府御米蔵前での蔵米(御切米)の引き…
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「夢酔独言」から拾い上げる武士の生活(7)

 このシリーズ最終回のテーマは、「旗本・御家人の俸禄」です。長い話になりますので二つに分け、今回はその前編とします。  江戸時代のお侍さんの生活の話をする時、よく言われるのは「侍は塩を米に換えたサラリーマン」という言葉です。確かに、侍の禄は、ほとんどの場合その単位はお米の量(石・俵)であり(仙台伊達家の貫高表記は例外に…
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昨日の報告

 昨日(11/24)、歴史民俗資料館の定例サポーター会に行ってきました。皆様にご心配をおかけしたのですが、なんとか私の研究発表、「仙台城下の村境」も無事(たぶん)済ませました。 *濡れ落葉の榴岡公園  その後に「企画展展示物解説」の予定があり、持ち時間を40分に予定していたのですが、時間が押して来てしまったので30分…
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近況報告を、短く

 今、今度の日曜に開催されるサポート会での研究発表の準備で、「夢酔独言から拾い上げる武士の生活」シリーズの記事作成が遅れています。ようやく、配布資料の作成が一昨日終わりまして、昨日歴史民俗資料館に届けてきました。 *榴岡公園・南口  八重桜の落葉が大分進んでいます。  メタセコイヤの紅葉はまだこれからですね…
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夢酔独言」から拾い上げる武士の生活(6)

 今回は旗本・御家人の住宅事情についてお話して見ようと思います。今回のキーワードは、「江戸時代の土地は皆公有地」です。  「夢酔独言」を通読して見ますと、勝小吉は5回居宅を変えているようです。「夢酔独言」からピックアップして、以下に並べてみます。   ①:父、男谷平蔵の、深川油堀の別宅に生まれる。     …
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「夢酔独言」から拾い上げる武士の生活(5)

 今回のキーワードは、「お侍さんはシンデレラ?」です。  「私の本棚から、「夢酔独言」」の回で、勝小吉が2回も出奔(家出)をした事をご紹介し、とんでもない事だ、という様な感想を書きました。事実、”主持ちの武士=侍”が主に無断で家を空ける、という事はとんでもない事で、それどころか、門限がある侍すらいたのです。  躾の厳しい…
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「夢酔独言」から拾い上げる武士の生活(4)

 今日は勝小吉も属していた「小普請組」について書いてみようと思います。  今回のキーワードは、「小普請組」は幕府直参のハローワーク、です。  前回も書きましたように、「小普請組」は無役の旗本・御家人の内の家禄3千石以下の者たちが組み入れられる組織です。  家禄3千石以上の幕府直参はほぼすべてが旗本と言ってよ…
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「夢酔独言」から拾い上げる武士の生活(3)

 「旗本」と「御家人」という言葉は誤用されやすい、という事で、前回はその説明を長々としてしまいました。今回は、その誤用の例を平凡社ライブラリー「夢酔独言 他」から拾ってみようと思います。 <strong>*旗本、大番士の出勤姿    「復刻 江戸生活図鑑」柏書房より  今回の記事でキーワードとなるのは、「旗本」とは…
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「夢酔独言」から拾い上げる武士の生活(2)

 「旗本」とか、「御家人」とか言う言葉は武士の身分に関する呼称で、時代劇などでは良く耳にする言葉ですが、よく誤用される言葉でもあります。ま、その境界が入り組んでいることもあって、間違うのも無理は無いのですが…  事実、私もこのシリーズの冒頭回で誤記をしてしまいました(すでに訂正済みです)。今回は、その「旗本」、「御家人」という身分と、…
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「夢酔独言」から拾い上げる武士の生活(1)

 前回ご紹介いたしました「夢酔独言」ですが、幕末の貧乏旗本の生活が飾ることなく赤裸々に綴られています。丁度良い史料ですので、これを使って、断片的にはなりますが、江戸時代の武士の姿をあぶりだしてみようと思います。 1):「末期養子」  平凡社ライブラリー版「夢酔独言他」の27ページ、小吉七歳の項に以下のような文…
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私の本棚から、「夢酔独言」勝小吉著

 私の本棚の蔵書から、ちょっと面白い本を1冊ご紹介しようと思います。  先日(9/21)、NHKの土曜時代劇「小吉の女房」が最終回を迎えました。  ご存じのように、勝小吉(かつ こきち)は勝海舟(義邦 、安芳、幼名:麟太郎)の実父です。その勝小吉が、俺みたいなバカはするなよと、戒めとして子孫のために書き残した…
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仙台城下のかつての村境は何処?(まとめ)

 このシリーズ、思いの他長くなってしまいましたし、何度か修正も致しましたので、最後に要点を整理した「まとめ」をしておこうと思います。 1):原文の解釈  以下が「仙臺鹿の子」の該当記述の原文です。原文は句読点も区切りも無い文章ですので、断定の助動詞「~なり」を仮の文章の区切りとみなし、切り分けしてあります。  …
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仙台城下のかつての村境は何処?(10)

 「仙臺鹿の子」の記述から開府以前の仙台城下の村境を割り出そうとしていましたが、原文の解析は今回で完了します。  以下は、その「仙臺鹿の子」の該当記述全文です。原文は句読点も区切りも無い文章なのですが、断定の助動詞「~なり」を仮の文章の区切りとみなし、切り分けてみました。  ①『御府は五か村入合の所なり』  ②『荒…
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仙台城下のかつての村境は何処?(9)

 「仙臺鹿の子」の記述を基に仙台城下が造られる以前の村境を割り出そうとしていました。  以下は、その「仙臺鹿の子」の該当記述全文です。原文は句読点も区切りも無い文章なのですが、断定の助動詞「~なり」を仮の文章の区切りとみなし、切り分けてみました。  ①『御府は五か村入合の所なり』  ②『荒巻村小田原村南目村小泉村根…
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仙台城下のかつての村境は何処?(8)

 仙台開府以前の村境を「仙臺鹿の子」の記述から割り出そうとしていたこのシリーズ。前回までの回で荒巻村と小田原村、二か村の村境を読み解きました。残り三か村の内、今回は「南目村(みなみのめむら)」の記述について解析して見ます。下記原文の④の文になります。  以下の文章が、その「仙臺鹿の子」の該当記述全文です。原文は句読点も…
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仙台城下のかつての村境は何処?(7)

 前回の続きです。  今回は③の文の残り全部を解析します。 <仙臺鹿の子」の原文該当文> ③   イ):『荒巻権現の杜より南へ、』   ロ):『六番丁通り辺まで、』   ハ):『同六番丁通を西へ、』   二):『二日町東裏切に南へ、』   ホ):『高き通を同心町へ、』   へ):『同心町より東三…
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仙台城下のかつての村境は何処?(6)

 前回の続きです。 <仙臺鹿の子」の原文該当文> ③   イ):『荒巻権現の杜より南へ、』   ロ):『六番丁通り辺まで、』   ハ):『同六番丁通を西へ、』   二):『二日町東裏切に南へ、』   ホ):『高き通を同心町へ、』   へ):『同心町より東三番丁通りへ入り、』   ト):『新伝馬町…
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仙台城下のかつての村境は何処?(5)

 「仙臺鹿の子」の以下の文を解析して開府以前の村境を割り出そうとしていました。 <仙臺鹿の子」の原文該当文> ③   イ):『荒巻権現の杜より南へ、』   ロ):『六番丁通り辺まで、』   ハ):『同六番丁通を西へ、』   二):『二日町東裏切に南へ、』   ホ):『高き通を同心町へ、』   へ):『同心…
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仙台城下のかつての村境は何処?(4)

 「仙臺鹿の子」の記述から、仙台開府以前の仙台城下の村境を割り出そうとしていました。今回もその続きです。 <仙臺鹿の子」の原文該当文> ③   イ):『荒巻権現の杜より南へ、』   ロ):『六番丁通り辺まで、』   ハ):『同六番丁通を西へ、』   二):『二日町東裏切に南へ、』   ホ):『高き通…
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仙台城下のかつての村境は何処?(3)

 前回からの続きです。  「仙臺鹿の子」の記述から仙台の城下町が造られる以前の村境を割り出そうとしていました。前回は三番目の文(以下の箇条書き)のイ)~ホ)の区切りまでを解析して見ました。今回はヘ)以降の文節の解析を試みます。  ③   イ):『荒巻権現の杜より南へ、』   ロ):『六番丁通り辺まで、』  …
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